最近、繁殖引退犬の譲渡が増えているようです。
繫殖引退犬とは、ブリーダーの元で繫殖犬として過ごした後、引退した犬のこと。
実際に引き取った人からは、繫殖犬だった子は吠えないしおとなしい、臆病でなつかないといった声が聞かれます。
これから繫殖犬を引退した子の里親になろうと考えている人は、気になるところですね。
なぜ繫殖引退犬は吠えないしおとなしいのでしょう?
また、臆病でなつかない子が慣れるのはいつなのでしょうか?
元繁殖犬ペルルと一緒に繫殖引退犬への理解を深めてみましょう!
繁殖引退犬が吠えないしおとなしい?
繫殖引退犬2016年12月10日生まれのひばりちゃん。
里親様募集 pic.twitter.com/yQ6Zy6hh6P— 犬屋デンゴ (@dengodog) May 17, 2022
繫殖犬引退犬が吠えないしおとなしいのは、繫殖犬特有の飼育環境に理由があるのではないでしょうか。
おおむね2歳から6歳くらいが繫殖犬として過ごす期間と言われており、運が良ければ役割を終えると家庭犬として譲渡されます。
優良なブリーダーの元で過ごしていた子は、管理が行き届いているので健康状態もよく病気もないことが多いのですが、そうではない子が多いのが現状。
健康状態も悪く、ただ狭いケージの中で最低限の水とえさを与えられ生かされているだけという子も。
繁殖引退犬が吠えないしおとなしいのは、やはり繁殖犬としての暮らしに原因があるのではないでしょうか?
繫殖引退犬は吠えない?
TL上でふくさんぽい若柴を見ると、もしかして子どもかとソワソワしてしまう。(保護される前は繫殖犬だったので)
ふくもまだまだやんちゃな坊ですけどね(*’▽’) pic.twitter.com/i2HWVkYkot— Handmade-Lab.@5/1~『緑展vol.2』majo cafe(中崎町) (@handmade217) December 22, 2021
繁殖引退犬は吠えない子が多いと聞きます。
犬が吠えるのは自分の意志を表したいから。
ところが家庭犬と違い「モノ」として扱われる繁殖犬は、たとえ吠えて自己主張しても人間に受け入れられることがありません。
吠えたり抵抗すると叩かれるといった虐待もあります。
繁殖犬はペットショップにたくさんの子犬を卸すために無理な繁殖を強いられ、「産む機械」として扱われることが多いのです。
交配や病院の受診の度に押さえつけられているうちに「抵抗せずにいれば事が済む」と諦めることを学習してしまうのだとか。
そのため、繁殖犬は吠えることをやめてしまっているようです。
また、吠えるとうるさいため声帯を切ってしまう悪質なブリーダーもいるのが現実。
繫殖引退犬が吠えないと言われるのには、このような切ない事情があるのですね。
繫殖引退犬がおとなしいのは自分を出せないから?
保護犬譲渡会で出会ったチワワ チュロス君
まったく吠えず動かない 繫殖犬として散歩もされずゲージの中だけで5年も飼われてたと聞いた pic.twitter.com/ADwYQ3ZlC5— くりぼうず (@kuribouzu0605) May 25, 2021
私も保護犬のボランティア活動をしてきましたが、その中でも繫殖引退犬は臆病でおとなしい子が多い印象です。
長年狭いケージの中でしか生活したことがない子は、ケージ外の世界を知りません。
運動もできないので、当然体力や筋力は落ちて歩くことすらままならない場合も。
また、注意が必要なのは、病気のため元気がなくおとなしいというケース。
繫殖犬は病気になっても治療されないことが多いので、何かしらの疾患を抱えていると考えた方がよいと思います。
保護団体から譲渡される場合は事前に健康診断を受けていると思うので、診断書を見せてもらうなど確認するとよいでしょう。
また、健康診断だけではわからない病気もあるので、譲渡後も病院で精密検査を受けることをおすすめします。
繫殖引退犬の臆病でなつかない子が慣れるのいつ?
繫殖犬引退里親様募集
2016年12月10日生まれチエミちゃん pic.twitter.com/yFHpY1PHpI— 犬屋デンゴ (@dengodog) October 17, 2021
多くの繫殖引退犬は人との関わりが少なかったので、臆病で人を信用していません。
誰でも新しい環境には緊張しますが、少しずつ慣れていくものですよね。
人と楽しく接した経験のある犬は、新しい飼い主や環境に慣れるのも早いでしょう。
ですが、そのような経験がない臆病な繁殖引退犬はやはり慣れるのに時間がかかってしまうようです。
果たして繫殖引退犬はなついてくれるのか、またそれはいつになるのでしょうか?
繫殖引退犬はなつかない?
『あたち ふとって ないかちら?』#柴犬#保護犬 pic.twitter.com/BUi3Uz6Zk3
— Nahoko Nahoko (@Anzubakkari) May 19, 2022
繫殖引退犬は臆病で慣れるのに時間がかかると聞くと、不安になる方もいらっしゃると思います。
時間は必要ですが、繁殖犬でもちゃんとなついてくれる時はきます。
とはいえ先ほどお話したように、繫殖引退犬は環境の変化が怖いうえに人間不信の子が多いのは事実。
また、繁殖犬でしたから年齢は若くても5歳以上の成犬なので、子犬に比べると年齢的なハンデもあります。
若い方が環境の順応に早いのは人も犬も同じで、成犬は子犬に比べると慣れるのに時間がかかるもの。
成犬であることに加え繫殖犬だったという特殊な条件を考えると、なつきにくい、慣れにくいのは当然と言えますね。
しかし、逆に人間を信用できればなついてくれるし、新しい環境にも慣れてきますよ。
心を開いてなついてくれる日が待ち遠しいですね。
臆病な繫殖引退犬が慣れるには時間と根気が必要!
モデル風なきなこ🐶
どこ見てんだよw#犬好きな人と繋がりたい#保護犬 pic.twitter.com/yCflmLy0YJ— きなこ (@kinako_love67) May 15, 2022
体にも心にも傷を負っている臆病な繫殖引退犬。
慣れるのには、時間と根気が必要だと覚悟しておきましょう。
ペルルの場合は2~3カ月でなれてきましたが、犬によって1年以上かかる子もいるでしょう。
繫殖犬だったペルルが家にお迎えした頃をご紹介します。
最初はキャリーケースの中でうずくまり、なかなか出てきませんでした。
ですが、私がお風呂やトイレで部屋にいなくなると不安になるのか少しずつ出てくるように。
最初の1週間はむやみに触れずに、ペルルのしたいように自由にさせていました。
心配して早く慣れてほしいからとしつこくかまうより、犬の意志にまかせておいたほうがいいようですね。
数日で慣れてくるのは早いほうで、もっと時間がかかるのが普通だと思います。
ペルルは、ある程度人に慣れた子たちが過ごす保護犬カフェにいたことも、なつくのが早かった一因かもしれません。
虐待を受けていた子や飼育放棄からレスキューされた子はすぐに慣れることは難しく、数か月単位で構えていた方がよいと思います。
トイレの練習は1か月後から始めました。
元気になり適正体重になるまでは外に出さず過ごしました。
それから庭でのおトイレ、お散歩と徐々に練習をしていった感じです。
とにかく焦らず、犬のペースで進めていくことが大切ですね。
まとめ
アイコンにも使ったお気に入りの画像。まだ私の元に来て数週間の頃の春。何とも愛らしい #ラブ春 #ラブラドールレトリバー #保護犬 pic.twitter.com/mLtZXUgvjl
— Labrador Haru (ラブ春) (@Labrador_Haru) May 18, 2022
繁殖引退犬が吠えないしおとなしいのは、やはり繁殖犬時代の悲惨な飼育状態が原因と考えられますよね。
臆病でなつかないと思われていますが、それはまだ自分を出せていないだけ。
本当はみんな甘えたいんですよね。
お迎えしたからには、なんとかして早くなついてもらいたいと思うかもしれませんが、焦りは禁物。
人間のペースではなく、犬のペースで慣れてもらうことが大切ですね。
過酷な繁殖犬を引退したのですから、新しい家族の下で時にわがままを言いながら、楽しく幸せに暮らしてほしいと願うばかりです。
犬を飼いたいと思っている方は、繫殖引退犬を選択肢の一つとして考えてみるのはいかかでしょうか?
最初は臆病で全然なつかなかった子が甘えてくれるようになった時の感激と興奮はひとしおですよ!
それでは、『繁殖引退犬が吠えないしおとなしい?臆病でなつかない子が慣れるのいつ?』はここまで!
最後までお読みいただきありがとうございました。