子犬を産ませるためにブリーダーのもとで飼育される繁殖犬。
その繁殖犬の多くが声帯を切られることを、みなさんはご存知でしょうか?
犬の声帯を切るということに馴染みのない人は、その事実に驚くことでしょう。
また、声帯が切除された繁殖犬を家族として迎えた人は、その鳴き声を治すことができるのか気になりますよね。
そこで今回は、繁殖犬の声帯を切るのはなぜか?
声帯切除後に鳴き声を治すことはできるのかについてまとめてみました。
繁殖犬は声帯を切るのなぜ?
2017年3月16日はしらすがうちの子になった記念日。
ブリーダーの繁殖犬だったから、声帯は切られていて、声はない、栄養失調で歯も全部抜け落ち、毛もボサボサ💦
もちろんお誕生日も分からないから、年齢も分からなかった。
だから、この日をしらすのお誕生日にしました🐶 pic.twitter.com/rLkXei64l6— しらす (@qwFpz8ujKLLkwYT) September 27, 2020
繁殖犬の多くが声帯を切られる事実を知って、驚く人はきっとたくさんいると思います。
家族として繁殖犬を迎えてから、初めて声帯が切られているのを知ったという飼い主さんもいるほど!
また、繁殖犬の声帯を切る理由について、純粋に知りたいという人もいるかも知れません。
それでは、繁殖犬の声帯を切るのはなぜか見ていきましょう。
繁殖犬が声帯を切られる理由は?
犬もサイレントで鳴くんだと思ったら、ブリーダーの繁殖犬だった子で鳴き声がうるさかったのか、声帯を切除されてました。
話を聞いた時、悔しくて涙が出そうでした。 pic.twitter.com/NHIFum7kQI
— 🅳🆁🅰🅶🅾🅽 🅺🅸🅳 (@Dragon_Kid_0202) October 3, 2021
繁殖犬が声帯を切られる理由は、ずばり静かにさせるためです!
犬は吠えることによって、人や他の犬とコミュニケーションをとる動物。
その鳴き声の大きさは、なんと最大で90~100db(デシベル)と言われています。
特に、犬の繁殖を生業にするブリーダーのもとでは多頭飼育が一般的。
一匹が鳴き始めると、連鎖して他の繁殖犬も鳴きだすのは日常茶飯事です。
そのため、鳴き声に耐えられなくなったブリーダーは、繁殖犬に声帯切除手術を受けさせることが多いのだそう。
声帯切除手術では、声を作り出す声帯ひだの一部もしくは全体を切除。
つまり、吠えなくさせるわけではなく、鳴き声をほとんど聞こえないものにするのです。
この話を聞いて、ショックを受けた人もいるかも知れません。
繁殖犬の現実を少しでも多くの人に知ってもらえたらと思います。
繁殖犬に声帯切除が必要なときがある?
栞音がタンがからんだような咳みたいなのが出たりすると、可哀想に思ってしまう…。
繁殖犬として物扱いされていた頃に、声帯を切られているせいで…と💦
最近は気温や気圧の変化などの影響なのか、突然アヒルの鳴き声のような声で呼吸困難のような感じになる事があり、心配になります😢#保護犬 pic.twitter.com/e7IVy0o9Qk— 栞音(しおん)紋呑(ものん) (@shion20171018) June 29, 2020
ブリーダーにとって繁殖犬の声帯切除が必要なときがあります。
- 近隣住民からの苦情を避けたい、もしくはすでに苦情が入っている。
- あらゆる躾を試しても、繁殖犬が鳴き止まない。
- 繁殖犬の鳴き声がうるさい上、躾も面倒に感じる。
特に、近隣住民からの苦情はブリーダーにとって死活問題。
繁殖犬の鳴き声のせいで苦情が殺到すれば、行政機関も指導のために動く可能性があります。
状況によっては、犬の繁殖業を廃業せざるをえなくなるのは大変ですよね。
実際に小型犬のブリーダーをしている人が、近隣住民から損害賠償を請求されたという事例がありました。
繁殖犬の鳴き声がうるさいという理由で、近隣住民から訴訟をおこされた事例も。
最終的にこの事例では慰謝料を払わずに済んだそうですが、結果的にその後の犬の繁殖業は難しかったのではないでしょうか?
このような事態を避けるために、繁殖犬の声帯切除をするブリーダーが存在するのです。
もちろん、全てのブリーダーが繁殖犬の声帯切除をしているわけではありません。
繁殖犬を家庭犬と同様、大切に扱っている優良ブリーダーもいます。
しかし、残念ながら繁殖犬を道具のように扱う悪質なブリーダーがいることも、私たちは忘れてはいけませんね。
繁殖犬の声帯切除後に鳴き声を治すことはできる?
柴犬の和尚は繁殖犬として暮らし、声帯も切られ、和歌山からこちらへやってきた当初はちょいとやさぐれていた。でもその後5年間は新しい飼い主さんに大切にされ、本当に本当に幸せだった。ぼくらはその証人に選ばれたのかもしれない。またね、和尚。 pic.twitter.com/Rkrx0YN80x
— 関口尚 (@hsekiguchi) April 22, 2020
繁殖犬を家族に迎えた人にとって、愛犬の声を聞きたいと望むのは当然です。
犬にとって鳴くことは、自分の意思を伝えること。
愛犬の気持ちを鳴き声から知ることができたら嬉しいですよね!
また、かすれた声で懸命に鳴く愛犬を見ると、何とかしてあげたいと思う人もいるのではないでしょうか?
ここでは、繁殖犬の声帯切除後に鳴き声を治すことはできるのかまとめてみました。
繁殖犬の切られた声帯は復活する?
うさぎちゃん🐰から繋いでもらった縁🌈🌻初めまして犬の【ひまわり(陽葵)】ちゃん3歳♀︎🍀 #保護犬カフェ印西店 に保護して頂き繁殖犬の任務を終えこれからは自由に幸せに生きれる様になりました✨声帯をカットされてる子を飼うのは初めてです。家族全員で愛します💖皆さんよろしくお願いします💖 pic.twitter.com/QAY2G6xr1O
— うさぎ🐰つきみ🌝ひまわり🌻 (@Usagi0303R) January 9, 2021
繁殖犬の切られた声帯が復活するかどうかは、個体差があるようです。
復活には切除した声帯ひだの大きさが関連しており、どのくらい切除されているのか見た目では判断がつきません。
声帯ひだの切除部分が小さければ、声帯復活の可能性も高くなります。
しかし、全ての声帯ひだが切除されていると復活はなかなか難しいでしょう。
その上、声帯が復活しても完全に元通りになることは少ないかも知れません。
どうしても元来の遠くまで響く声ではなく、かすれた声になってしまいます。
それでも、愛犬の声を聞けたときの喜びはきっと何にも代えがたいですよね!
繁殖犬の切られた声帯の復活を望む飼い主さんは、焦らずに長い目で見ながら生活を共にしてはいかがでしょうか?
声帯切除された繁殖犬を飼う注意点は?
【保護犬パーク長居店】
ミモンヌ
ロングコートチワワ♀7才チワワとしてはかなりのビッグサイズですが、声帯を切られこの年になるまで繁殖犬としてたくさんの赤ちゃんを産んできた子です
少し人見知りがちですが、安心すると自分から寄り添いに来てくれますよ
保護犬パーク長居店で里親募集中 pic.twitter.com/mo3JSpMWQK
— いくらのブログ(保護犬カフェ里親募集中) (@golbonaruki) November 23, 2020
繁殖犬を飼うとき、声帯切除による健康面での注意点は特にないと言われています。
それは、声帯切除は健康面に影響を及ぼさないと考えられているから。
ですが、愛犬の辛そうに鳴く姿を見ると、本当に大丈夫なのか心配になりますよね。
そんな時は、信頼できる獣医さんに一度見てもらうのがおススメです!
また、声帯切除の有無に関わらず、繁殖犬は長いこと我慢を強いられてきたケースが多いです。
充分な食事を与えられなかった子、適切な環境で飼育されなかった子。
狭いケージに長期間閉じ込められていた場合もあります。
特に繁殖犬を家族としてお迎えしたばかりの頃は、栄養面や衛生面などの入念なケアが必要。
ぜひたくさんの愛情をかけて、たっぷりと可愛がってあげてくださいね!
まとめ
ひょんなことから家族になったレムさん。
ワクチンも狂犬病ワクチンも打ってないような子でした。
元々繁殖犬で声帯も切られていた子。
口腔も歯石だらけで色々すごかった。
我が家にきて1年、生まれて5年(推定)
お別れは突然でした。
玩具も興味無い子だったけど天国では沢山遊んでね。 pic.twitter.com/uaHD5iHGKQ— まなみ (@toppo_gii) July 5, 2021
子犬を産むために飼育されてきた繁殖犬の多くは、その声帯を切られている場合があります。
さまざまな事情があるとは言え、犬の声帯を切るという行為を聞いてショックを受けた人も多いことでしょう。
今回、近隣住民からの苦情に対処するため、ブリーダーの多くが繁殖犬の声帯切除を行っているということが分かりました。
また、繁殖犬の声帯切除後に鳴き声を治すことができるかは個体差があるようです。
鳴き声が聞こえる聞こえないに関わらず、少しでも多くの繁殖犬に幸せな犬生を送ってほしいと願っています。
それでは『繁殖犬は声帯を切るのなぜ?切除後に鳴き声を治すことはできる?』はここまで!
この記事がみなさんと愛犬たちとの生活に役立ちますように。
またお会いしましょう!